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        舌痛症          

          原因不明の舌の痛み


西洋医学では

 舌が痛い場合で西洋医学的に原因が特定できる場合は、舌や粘膜のいたるところに繰り返しできる口内炎、例えば再発性アフタ性口内炎、悪性貧血に関連して舌が赤くただれるハンター舌炎《ぜつえん》、唾液の分泌量が減少して口腔《こうくう》粘膜全体が発赤する口腔乾燥症、さらに目の乾燥やふしぶしの痛みをともなうシェーグレン症候群、舌の両側の縁に白い変化や赤くただれた部分のみられる扁平苔癬《へんぺいたいせん》や紅斑症《こうはんしょう》、このほか細菌の異常な増殖によりおこるカンジダ症や毛舌症《もうぜつしょう》な
どがあげられます。中国漢方の舌痛ではこれらによる舌の痛みも含みます。


 問題なのは、血液検査その他でも異常がない場合で舌に明らかな変化もないのに全体がヒリヒリ痛むという場合、舌痛症といわれ、西洋医学的には決定的な治療法はありません。この病気は最近とくに増えている病気で、40歳以上の女性に圧倒的に多く、臨床検査や舌自体にもこれといった変化がないのに、ヒリヒリ痛むのが特徴です。こちらもどうぞ。




東洋医学では

 舌痛は舌の痛みの総称で、灼熱性の痛み、ピリピリした痛み、しびれたような痛み、ザラザラした痛みなどの痛み全てが含まれます。また、痛む部位が舌の先端、舌の辺、中央、舌の根の部分、舌全体など様々です。

  東洋医学的にみた原因

 いづれも何らかの熱を持った場合に舌痛が発生すると考えています。どの部分に熱があるか熱の状態が実熱なのか虚熱なのかによって治療法が異なり適合する漢方薬も違ってきます。

 1.臓腑実熱
 心火 舌の尖端が赤く痛み、刺すような灼熱痛で、焦燥感や不眠などがあります。
     導赤散加黄連(どうせきさんかおうれん)などが適合します。
 

 肝火 舌の両側辺縁部の痛みがあり、口が苦い、イライラして怒りっぽいなどの症状を伴
     います。竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)、当帰竜薈丸(とうきりゅうかいがん)、
     加味逍遥散(かみしょうようさん)
などが適合します。
     
 胃火 舌の中心部が痛み、舌の苔が黄色く乾燥し、冷たいものが欲しい、便秘ぎみなどの
     症状を伴います。瀉黄散(しゃおうさん)、便秘があるときは大承気湯(だいじょうきと
     う)
などが適合します。

 肺火 舌の尖端がピリピリと痛むことが多く、瀉白散(しゃはくさん)などが適合します。

 痰火 舌がしびれたように痛み、めまいをともなうことが多いです。蒙石シ衰痰丸(もうせき
     こんたんがん)
などが適合します。

 2.陰虚火旺
  舌尖部の灼熱性の痛みあるいは乾燥して痛む、舌は苔が少なく乾燥気味、しわのような
  裂紋がある場合も多い。ねあせ、焦燥感、不眠、手足のほてりなどを伴うことが多い。

 心陰虚 ねあせ、焦燥感、不眠、手足のほてりなどをはっきり伴うことが多い。黄連阿膠湯
      (おうれんあきょうとう)、柏子養心丸(はくしようしんがん)
などが適合します。

 腎陰虚 上記の症状に加え、足腰がだるい、トイレが近い、耳鳴りがするなどの症状を伴う
      ことが多いです。天王補心丹(てんのうほしんたん)、知柏地黄丸(ちばくじおうがん)
      などが適合します。


               参考文献: 中医症状鑑別診断学 中医研究院 超 金鐸