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    前立腺肥大と漢方 

                       尿漏れ、頻尿、残尿感、尿が出渋る

 前立腺肥大症


前立腺は、男性の膀胱の直下にあって、後部尿道をとりまくようにある臓器です。その働きは、前立腺液を分泌し、精子に栄養を与え、精子の運動を活発にさせます。大きさは通常、クルミ位で20g程度ですが、ホルモンの影響などで50歳を過ぎると肥大が始まります。

前立腺肥大による自覚症状は、頻尿、特に夜間頻尿(3回以上)、尿が細く場合によっては尿線が二股に分かれる、尿が出渋って排尿に時間がかかる、頻繁に尿意を催す、尿漏れ、尿が出にくい、などです。これらの症状は前立腺が肥大して尿道を圧迫することで起きます。

70歳以上の男性の10人に7人以上の人に前立腺肥大が見られます。

漢方では、特にこの症状に対して一般的には八味地黄丸が脚光を浴びています。八味地黄丸は、老化による、様々な症状に応用されます。尿漏れや頻尿、排尿がスムーズでないような状態に一定の効果があるのですが、実際には、高齢の男性であっても、正確に東洋医学的に専門的な立場からみますと、体質や細かい症状の違いなどで、前立腺肥大に適合する漢方薬も様々に変って来ます。八味地黄丸を3ヶ月試したけれど効果がなかったりする場合には、おそらく違った漢方薬が適合する可能性が高いと思われます。


前立腺肥大は「腎虚」による症状ですが、腎虚にも様々なタイプがある

八味地黄丸は腎虚の薬です。腎虚とは、腎が虚弱になった状態ですが、東洋医学でいう腎は、西洋医学での腎臓のみならず、成長、発育、生殖、泌尿器系、ホルモン系も含まれ、生命活動の根本の臓です。腎の虚弱の状態でも腎の陽(機能的な面、温める力)が特に弱っているのか、腎の陰(物質的な面、滋養面)が弱っているのかによっても変って来ます。八味地黄丸は、この双方を補うことができますが、どちらかというと腎の陽の方を主に補う働きがあるものです。腎の陽が弱っていると、手足が冷えやすいという状態になりやすくなります。しかし、逆に足の裏や手のひらがほてりやすい人は全く適合しません。こういう人は、知柏地黄丸(ちばくじおうがん)というほてりを冷ましながら腎の陰(物質的な面、滋養面)を補う方が良いです。さらに、単純に腎虚というだけでなく、陰部の鬱血やストレスの影響で前立腺肥大の症状がひどくなっている方は、腎を補うのと同時に、鬱血を除いたりストレスの影響を除く漢方薬を併用しないと効果がない場合も多いです。


効果がわかるまでには3ヶ月が目安

生命活動の根本である腎を補うのにはある程度の時間がかかります。腎が弱くなったのにも長い時間をかけて除々に弱ってきていますので、一部を除いて効果は緩慢性で最低3ヶ月は様子をみると良いでしょう。



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