店主の四方山話                    TOPへ戻る




  

 第90話 不妊症とおりものの関係の話




川口漢方薬局のEメール相談質問表排卵前頃に透明な卵の白身のようなおりものが多くなるという質問項目がありますが、これは、不妊症や生理不順、ホルモンバランス異常による様々な症状や病気に対して必要な項目なので入れています。排卵前頃のおりものは、卵の白身のように透明でのびるような状態が正常です。南京中医薬大学教授、夏桂成先生によれば、このおりものは生理の日数に対応しているといわれます。例えば、生理が5日間だったなら、5日間おりものの分泌があることが望ましいわけです。そして、通常はこのおりものの量が一番多くなった日あるいはその翌日が排卵日です。ですから、自然妊娠には、このころの交接が一番チャンスが大きいという事が言えます。


また、漢方の周期療法を行う場合、このおりものが正しくちゃんとあるかどうかで、適合する排卵期の漢方薬が全く異なってきます。この点は、私が今まで行ってきた方法と南京中医薬大学教授、夏桂成先生の方法は全く同じです。様々な原因で排卵障害があり低温期が長くなる方は別に方法がありやり方はまた変わるのですが、おりものがある場合と無い場合は以下のように違ってきます。


おりものが無い場合

卵胞の成長が悪かったり、卵子自体が良い状態でない場合が多く、排卵期に排卵を促す漢方薬や薬草を加えても意味がない。むしろ、生理終了後から低温期の卵胞の成長状態を良くする漢方薬を継続する方が良い。排卵を促す漢方薬や薬草は、気、血、卵など、ものの動きを良くするものですが、この状態で加えると、卵胞の成長を良くしたり、卵子自体が良い状態にするのにかえって邪魔になります。


おりものがきちんとある場合

卵胞の成長や卵子の状態が良い場合で、おりものが増えてくる頃から、それまでの生理終了後から低温期までの漢方薬に、排卵を促す漢方薬や薬草を加えて排卵をスムーズにします。




尚、卵の白身のように透明でのびるようなおりものは、西洋薬の排卵誘発剤を長期連用すると分泌が少なくなり、子宮内膜も薄くなります。東洋医学では、このおりものや子宮内膜は腎精や腎陰が消耗すると形成されにくくなるとされていて、排卵誘発剤は、腎精や陰血を消費して排卵を誘発しているともいえます。6ヶ月以上の連用は、かえって妊娠にとってマイナスにもなるのです。生理終了後の低温期の周期療法の漢方薬は、腎精や陰血を滋養させることが目的で、排卵誘発剤のマイナスを補う働きもあると考えています。