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 第81話 老化と補腎の話(5)腰痛・神経痛・変形性膝関節症





  腰痛・神経痛・変形性膝関節症の漢方療法


痛みや関節の変形の中医学的(中国漢方)の考え方 痺症(ひしょう)

痺症とは、肢体、関節の痛み、痺れ、麻痺、重だるさ、活動障害を伴う病気のことです。西洋医学のリウマチ熱、リウマチ性関節炎、慢性関節リウマチ、座骨神経痛、骨質増生疾患などを含んでいます。痺とはふさがって通らないという意味です。風や寒さ、湿気、熱を受けて経絡(気や血が流れる通路)がふさがって通らなくなることで発生すると考えられています。

また、このような病気のために筋肉が痩せたり、軟骨や骨が変形した状態というのは、腎は骨と関係が深く、肝は筋と関係が深いと言われ、肝腎の不足と考えています。さらに、筋肉が痩せたり軟骨や骨が変形するのは病歴が長い状態で発生し、於血(おけつ:血の汚れ)や痰湿(たんしつ:悪い水)が存在する場合も多いです。痛みの病気が若い人に少なく、年配の方に多いのも、腎が弱くなっていることと考えています。


痺症(ひしょう)は、症状や体質によって分類され、適合する漢方薬も変わる

中医学(中国漢方)では、気や血の交通渋滞が起きると痛みが発生する、栄養が足りないと痛みが発生すると考えています。そして、交通渋滞がなぜ発生したのか、なぜ栄養が不足したのか、原因の違いによって治し方が違っています。



 1)風邪阻絡

 主に風という邪気が絡脈の流れを阻んで痛みが発生した場合です。しびれや遊走性の痛み
 が多く、痛む部位が移動したりする。こういった状態のことを行痺(こうひ)といいます。
 防風湯などが適合します。



 2)寒邪阻絡

 冷えて痛い、痛みの部位は移動せず固定的で、赤くない、冷えるとひどくなり暖めると軽くなる。
 こういった状態のことを痛痺(つうひ)といいます。
 烏頭湯、桂枝加朮附湯 などが適合します。



 3)湿邪阻絡

 腫れやむくみがあり、固定的な重だるいような痛み。湿度の高い季節や曇りや雨の日にひど
 くなりやすい。こういった状態の事を着痺(ちゃくひ)といいます。
 よく苡仁湯、除湿けん痺湯などが適合します。



 4)熱邪阻絡

 ほてりや患部の赤みがつよく熱感がある痛み。
 白虎加桂枝湯、桂芍知母湯などをが適合します。



 5)湿熱阻絡

 関節が赤く腫れてむくむ。重だるい痛み。
 二妙散、当帰ねん痛湯、越脾加朮湯などが適合します。



 6)気血両虚・血於

 顔色が悪い、筋肉が痩せている、体がだるく疲れやすい。固定性の刺すような痛み。
 十全大補湯合血府逐於湯などが適合します。



 7)肝腎両虚
 筋肉、関節が弛緩あるいは縮んでだるく痛む。腰や膝がだるい。
 独活寄生湯などが適合します。



上記の中で、2)寒邪阻絡と、 4)熱邪阻絡、5)湿熱阻絡は東洋医学的に全く正反対の漢方薬が適合します。2)の場合は暖める力の強い漢方薬ですし、4)5)は、反対にほてりを冷ます力の強い漢方薬が適合します。
 

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