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第52話 東洋医学と自律神経の話

第51話で、春は自律神経が乱れやすい季節で、東洋医学的には「肝」の病気であると考えていると書きました。では、実際にどのような漢方薬が適合するのか、簡単に書いてみましょう。

実際には、個々の体質や症状によって様々なタイプに分かれ、それによって適合するものは変わります。


1.肝気欝結タイプ
精神的なストレスが原因で、肝の気の流れが停滞して疏泄作用が低下した状態です。
イライラ、怒りっぽい、落ち着きがない、腹部の膨満感、胸のもだえ、ため息、喉がつまる感じ、乳房の張りやしこり、月経痛や月経不順がある。

このような場合には、肝の気の流れをスムーズにする漢方薬が適合します。
星火逍遥丸逍遥散や、おなかにガスが溜まる感じやゲップがでやすいのであれば、開気丸香蘇散、のぼせ、ほてり、熱い感じがあれば加味逍遥散などが良く使われます。


2.肝血虚タイプ

心身の過労や胃腸障害、虚弱体質などが原因で肝の血液が不足した状態です。目や肌が乾燥しやすい、胃腸が弱い、貧血、軟便下痢ぎみ、経血量が少ないなどがあります。

このような場合には、不足している血の不足を補う漢方薬が適合します。胃腸虚弱の状態がそれほどひどくない状態であれば、婦宝当帰膠がのみやすく良いです。食欲が無い、軟便下利ぎみなど胃腸の虚弱がはっきりしている場合は、帰脾湯帰芍六君子湯などが使用されます。


3.肝陽化風タイプ
肝の血が不足しているのと相対的に余ってしまった肝の陽気が内風に変化してしまった状態です。2.の症状以外に、めまい、ふらつき、しびれ、筋肉のけいれんやひきつりなどの症状があります。

このような症状には、不足した血を補いながら肝陽を平らかにし内風しずめる漢方薬が適合します。抑肝散加陳皮半夏七物降下湯芍藥甘草湯などを合わせて使用されます。


4.肝腎陰虚タイプ
ストレスや疲労、慢性病、老化などで肝と腎の陰液(体液)が不足した状態です。目の疲れ、視力の低下、めまい、耳鳴り、手足がほてる、喉が乾燥する、頬が赤い、足腰がだるい、寝汗など

このような症状には、肝と腎の陰液を補う漢方薬が適合します。杞菊地黄丸知柏地黄丸、柴磁地黄丸などを使用します。また、不眠や不安感などが強い場合には、肝腎だけでなく、心の陰液も補う天王補心丸柏子養心丸酸棗仁湯などが適合します。



    自律神経失調症・パニック障害のコンテンツも参考にして下さい。

自律神経の失調からの症状は複雑ですので、以上はあくまで一般的な基本事項です。医薬品に関しては、きちんとご相談の上お求めください。

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