店主の四方山話                    TOPへ戻る




  

 第185話 インフルエンザと漢方薬 麻黄湯 2




傷寒論という医学書には、発汗させてはいけない状態や体質の人についてもきちんと書かれています。



発汗をさせてはいけないケース

脈が浮ではなく沈弱の場合
脈が沈は邪正闘争が起きている部位が体表部ではなく内部なので、発汗はしてはならない。また、脈が弱い人は正気が弱っていたり営血が不足しているので、発汗させてはならない。

咽喉が乾燥したり喉がヒリヒリするような痛みがある場合
これらの症状は体内の必要な潤いの元となる水分が不足しているので、発汗すればますます消耗してしまうので発汗させてはならない。

下痢をしている場合、頭痛、発熱、悪寒などの症状があっても発汗はさせない。

淋(頻尿、尿意促迫、排尿障害、排尿痛、残尿感などの症候の総称)を発症しやすい人

鼻血など出血症状が起こりやすい人

平素から大便の出が悪い人(大便がコロコロの人は体内が乾燥ぎみの人であるから、汗を出せばますます乾いてしまう)

おできが出来やすい人

平素から汗をかきやすい人

虚弱な人


すでに、発汗させるべき状況を逸して、こじれてしまっている場合



症状と体質に合致し、発汗するタイミングさえ合えば大丈夫

何か難しいことを書きすぎたかもしれません。しかし、発汗させてはいけない状況、発汗させてはいけない体質をのぞき、発汗させるタイミングで麻黄湯を使えば、インフルエンザであっても早く良くなります。

麻黄湯に関しては、『類聚方広義』という有名な漢方書を書き14代将軍徳川家茂公の侍医となった、江戸時代末期の名医である尾台榕堂先生が13歳のとき、生まれて初めて往診し処方したときの記録が残っています。

代々漢方医の家系で父も兄も医者だったが、あいにく兄が居なかったので、父親からお前が往診に行けといわれ、病人を診た。

病状は、熱性病で激しい頭痛があり、悪寒、発熱、脈は浮数(脈が浮いて速い)であると父に報告すると、父は、お前は何を処方するか?と聞かれた。麻黄湯ではどうですかというと、父は笑ってそのとおりだと応えた。そこで麻黄湯を3日分調合し、温服させて大いに汗を出させたところ、苦痛は速やかに去った。余熱が残ったので小柴胡湯を与えてまもなく全治した。



症状と体質に合致し、発汗するタイミングさえ合えば、13歳の少年にも正しい使い方が出来たのです。





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