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 第184話 インフルエンザと漢方薬 麻黄湯 の話




夏が厳しいと冬に流感が多くなる?

秋が深まり、寒い日も多くなりました。そろそろインフルエンザが流行しやすくなるので、インフルエンザと漢方薬 麻黄湯について書いてみます。今年の夏は猛暑で、しかも長かったのですが、そういう年の冬には、必ずといって良いほど、インフルエンザが流行します。なぜかというと、夏を乗り切るために、かなり体力を消耗し、抵抗力などが落ちている人が多いからです。



麻黄湯がインフルエンザに有効なのはなぜか?

麻黄湯は、今から1800年前の中国の後漢時代に書かれた傷寒論という医学書に初めて登場し、以来ずっと使われ続けている古い薬です。

内容は、桂皮、麻黄、杏仁、甘草という4種の薬草が組み合わされたものです。
桂皮は、シナモンです。シンナムアルデヒドなどの成分を含みます。麻黄は、中国など世界の乾燥地帯に自生する植物で、喘息発作などを鎮める働きのあるエフェドリンを含む薬草です。杏仁はアンズの種で、これも咳や痰などを鎮める効果があります。甘草は、マメ科の多年草で根を乾燥させたものは薬草として使われたり甘味料の材料として使われます。

抗ウイルス作用があるという薬理研究があるが?

現代の薬理学研究では、桂皮や麻黄の成分に抗ウイルス作用があることがわかっていますが、麻黄湯がインフルエンザに有効なのは、インフルエンザのウイルスに直接作用することより、むしろ人間がインフルエンザに罹患したときの抗病反応を応用して自然治癒力を増してインフルエンザを早く治すというものです。桂皮から抽出したシンナムアルデヒド単体成分が、タミフルやリレンザと同様の効果があるわけではありません。

具体的には、人体がインフルエンザウイルスに罹患した初期には、皮膚や粘膜でインフルエンザウイルスと人体との戦いが起き、寒気がしたり発熱があり、ふしぶしが痛くなります。発熱はウイルスを死滅させるための生体防衛反応なのです。

数年前、インフルエンザに漢方薬の麻黄湯が有効であるという報道が、テレビや新聞などでされました。確かに、ある一定の条件の下では、麻黄湯はとても効果があります。

傷寒論という医学書には、麻黄湯の適応する状況について明瞭に書かれています。「太陽病、頭痛発熱、身疼腰痛、悪風し、汗無くして喘する者、麻黄湯之を主る。」太陽病というのは、脈が浮いて頭項が激しく痛み、悪寒する状態を言います。つまり麻黄湯が適応する条件とは、引き初めで、寒気があり汗が出ていないということです。それ以外の状況では効果がないだけでなくかえって具合が悪くなることもあります。麻黄湯は、体を温め、強力に発汗を促すことで、人体がインフルエンザウイルスに対する自然治癒を助ける薬なのです。もっと具体的に現代医学的に言えば、血流を体表部に向かわせ、粘膜や皮膚に顆粒球を多く送り、人体のウイルスに対しての戦争に援軍を送っているのです。体を温め適切に汗を出させることで病気を治そうとする薬ですので、暖かくしてのむこと、適切に汗を出すのを助ける養生を同時に行うことも大切です。



以下もご参照ください。

第161話 新型インフルエンザに漢方は効くか?


第162話 新型インフルエンザに漢方は効くか?その2



また、傷寒論という医学書には、発汗させてはいけない状態や発汗させてはいけない体質の人についてもきちんと書かれています。



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