店主の四方山話                    TOPへ戻る




  

 第149話 テレビでブームの杜仲茶(とちゅうちゃ)だけど


  

 テレビの力は凄いけど、効果は本当なのか?

ある日、突然に「杜仲茶ありませんか?」という問い合わせが相次ぎました。川口漢方薬局の杜仲茶はすぐに売り切れて、生薬問屋さんの在庫も全く無い状況になりました。テレビで、杜仲茶が内臓脂肪に効果がある、と放映したのだそうです。杜仲茶は7〜8年前にもテレビで放映され、一時大ブームになりました。しかし、このブームは1〜2ヶ月で終わりました。今回のブームもわずかな期間のみで、すぐに忘れ去られると思いますが・・・・。


 

 ただ、視聴率が稼げて話題作りが出来れば良いテレビ番組

杜仲茶を買いに来てくれた人には、買ってくれるお客様だから感謝しますが、本音を言えば内心可哀想に思います。杜仲茶はただ、視聴率が稼げて話題作りのネタに出てきただけだと思っていただいて構いません。確かに杜仲茶は、内臓脂肪に一定の効果がある可能性はあります。でも、脂肪を除去する可能性のある薬草や民間薬は他にも沢山あります。体質や症状に関係なく適当にそれらをのんだ方の大半に効果があるとは思えません。

東洋医学的には、杜仲は、肝腎を補い補陽するという働きがあります。老化などによる機能低下などの内臓脂肪の除去には応用されるかも知れませんが、内臓脂肪の蓄積にはいろいろな原因や体質の違いがあります。漢方の専門家としての立場から申し上げれば、東洋医学はひとりひとりの体質の違いを重視して、体質が違えば、同じ病気や症状でも全く違うものが適合するという考えがあります。食べすぎや運動不足で内臓脂肪が多くなっている場合は、むしろ全く違う薬草茶の方が良いのです。


 

 漢方薬材料の杜仲は本来、樹皮のみを使う

杜仲というのは漢方薬の材料として使いますが、使われるのは、木の幹の樹皮の部分です。お茶に使われる葉っぱの部分は、杜仲茶というお茶としての商品が開発されるまでは、中国でも捨てられていたか、堆肥の材料にされていたものです。葉にも杜仲の主成分であるグッタ・ペルカは含まれますが、樹皮の部分に比べるとずっと少ないので、昔から薬用にしなかったのです。うがった見方をすれば、杜仲茶はあくまでお茶であり、効果を求めるのは酷です。効果があるのなら何でも薬にしてしまう中国の漢方文化が、杜仲の葉っぱを薬として用いなかったのは、いろいろ試したけれど樹皮しか効果が無かったから、なのです。


 樹皮の杜仲は以下のような効能、作用があるとされています。

肝腎両虚タイプの腰痛に用いる。 独活寄生湯などに配合されています。独活寄生湯は、坐骨神経痛などによる腰痛にまず第一に用いられる漢方薬です。

腎陽虚タイプの妊娠中の下腹部痛、性器出血(流産の前兆)に用いる。例えば中国では杜仲の配合された補産湯(ほさんとう)がよく使われます。

高血圧に用いる。ただし、腎虚タイプのものに限り、黄ごん、夏枯草、桑寄生、牛膝などと合わせて使われます。




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