店主の四方山話                    TOPへ戻る




  

 第138話 お伊勢さんの話




今回は、ちょっと変なたとえで漢方と「お伊勢さん」について書いてみます。


お伊勢さんとは、焼き魚なのに実はあらかじめ魚を煮たあとから魚の皮に焦げ目をつけたもののことです。昔、お伊勢参りで混雑した旅籠で、焼き魚をきちんと焼いていたら間に合わないので、大なべで一度に沢山魚を煮てあとから魚の皮に焦げ目をつけたのです。これでは普通に焼き魚で食べておいしい魚も油は抜けてしまうし焼き魚独特の風味もないし、不味いことは間違いないです。ただし、お魚の料理法としてわざと先に魚を煮てそのあと焦げ目を付けるような方法もあることはあるのですが、混雑して間に合わないための手抜き料理として「お伊勢さん」は代表的なものです。



漢方でお伊勢さんをやるとどうなるかというのが、今回の本題です。


前回、前々回書きました弁証論治というのは、漢方の深い知識がなければできないことで、同時にしっかりやろうとしますと手間がかかります。私どもの漢方相談で時間をかけるのもきちんと弁証論治をしようと思うと、それなりの時間と手間が必要だからです。また、最近はメールなどの相談も多くなっていますが、メールのやりとりを何回もした後にようやくお奨めの漢方薬が決定する場合も多々あり、最初のメールからかなり日数がかかってしまうこともあります。



漢方でお伊勢さんをやろうとした場合、このようになります。


病名やある程度の症状だけでほぼ一律の決まった漢方薬を処方する、あるいはパターンをいくつか決めておいてそのパターンどおりに処方するなどです。もし、体質や症状に関係なく同じような漢方薬が出ていたら、それは間違いなく「お伊勢さん」です。もちろん、この方法でも一定の効果はあるでしょうが、人間の体というのは複雑に出来ていますし体質や症状の現れ方は千差万別で、その人に合った漢方薬であれば効果が良いだけではなく副作用などもでにくいのです。川口漢方薬局では、「お伊勢さん」はやりたくありません。料理であればまずくなりますし、漢方であればまちがいなく有効率が落ちるからです。




適切な漢方薬の選定は専門家にお任せください。詳しくはこちらでご相談ください。直接メールでもご相談承ります。kawaguchikampo@nify.com