店主の四方山話                    TOPへ戻る




  

 第126話 蜜柑(みかん)皮の話




秋が深まるにつれ、秋の果物が多く目に付くようになりました。蜜柑(みかん)は、珍しくないごく普通の果物ですが、この蜜柑の皮が漢方薬の材料として様々な漢方処方に使われていることは、専門家であれば誰でも知っていると思いますが、一般にはあまり知られていないのではないでしょうか。



 採取時期や部位で名前や薬効が異なる蜜柑(みかん)の皮

蜜柑の皮でも、成熟して黄色くなった皮とまだ青いうちに採取したものでは、呼び名も漢方での薬効も違います。


   陳皮(ちんぴ)    成熟した蜜柑の皮を干したもの、色は黄色っぽい

   漢方での薬効は、脾(ひ)の気の流れを良くすることで、脾の働きを健やかにします。また、
   湿った状態を燥かし痰を除きます。

   漢方でいう脾とは、消化器系全般栄養物の吸収とその利用に比較関係している臓です。
   ですから、消化不良を改善し胃腸の調子を良くするとか、痰が多いような時に使われること
   が多いのです。六君子湯、補中益気湯、平胃散、二陳湯、温胆湯など沢山の漢方処方に
   配合されています。中国では、蜜柑の皮の部分でも表面の黄色や橙色の部分(橘紅:きっ
   こう)と、皮と果肉の間の繊維状の白い部分(橘絡:きつらく)を分け、前者は気の巡りを良く
   し、後者は痰を除く作用が強いので、実際に痰を伴う咳や喘息のある方が蜜柑を食べるとき
   には、白い部分が付いた袋ごと食べた方が良い
のです。


   青皮(せいひ)   まだ青い未成熟な蜜柑の皮を干したもの、色は緑色っぽい

   漢方での薬効は肝の気の流れを良くし、陳皮よりも気の流れを良くする力はより強いです。
   脇痛、腹のつかえなどによく使われます。柴胡疎肝湯、七味調気湯などに配合されます。
   また、青皮の他に枳実(きじつ)といって、青い蜜柑のまだ小さなものを砕いたり輪切りにし
   状態のものもよく使われ、大柴胡湯、四逆散など多くの漢方薬に配合されています。




適切な漢方薬の選定は専門家にお任せください。詳しくはこちらでご相談ください。直接メールでもご相談承ります。kawaguchikampo@nify.com