店主の四方山話                    TOPへ戻る




  

 第118話 続・高プロラクチン血症の話



高プロラクチン血症については第95話で書きましたが、今回はその続編です。


プロラクチンを下げる漢方薬として、最近産婦人科から処方されるものに芍薬甘草湯があります。もともと、芍薬甘草湯は、痙攣などを伴った痛みに使用されることの多い漢方薬です。生理痛などにも応用されることがありますので、婦人科で全く使われないわけではありませんが、プロラクチンが高い場合でも、一律に使用されるべきでないと考えます。



 芍薬甘草湯炒り麦芽の違い

芍薬甘草湯は柔肝の働きといって、肝臓(東洋医学でいう肝臓であって西洋医学の肝臓と意味が違う)に蓄えられる血が不足するために血が筋を養うことができず、筋が攣急すると考え、肝臓の陰血を補う働きのある芍薬甘草湯によって痙攣や痛みの症状がおさまる作用を期待したものです。芍薬甘草湯は痛み、痙攣、ひきつりなどが起きやすい状態で、血や潤いが不足する体質の方に適合します。

一方で、プロラクチンを下げるといわれる炒り麦芽はどうでしょうか?炒り麦芽は、疏肝といって肝臓の疏泄の働き(臓腑の働きが順調になるように調節する働き:西洋医学で言う自律神経の働きに近い)を良くするもので、乾かす性質があります。芍薬甘草湯は陰血を補い潤す働きがありますので、乾かすか潤すのかという性質は正反対です。両者は本来、異なった体質に適合し、使い分けるべきなのです。

乾いたスルメを水でふやけさせ軟らかくするのが芍薬甘草湯、凍った固いスルメイカを溶かして軟らかくするのが炒り麦芽です。作用はこれだけ違います。少し難しい話なので、スルメにたとえてみました。


 検査結果や病名だけでは適切な漢方薬は決められない

最近は、病名や検査結果のみで、安易に使用されることが増えてきました。しかし、お体の状態を西洋医学とは異なる面からとらえ、そのお体の状態に適するように使用してはじめて漢方薬はしっかりした効き目を発揮します。お体が乾いているとか水浸しであるというような状態鑑別は西洋医学では行いませんが、漢方ではしっかり効果を出すため、適切な漢方薬を選定するために、とても重要なことなのです。



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