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めまいの漢方療法   


めまいに使われる漢方薬というと、五苓散とか苓桂朮甘湯が良く使われます。これらの漢方薬は、水分代謝を良くし、むくみを改善する働きがあります。日本漢方ではめまいは水毒が関係していると言われ、それを根拠にこれらの漢方薬が使われます。

しかし、中医学(中国漢方)では、めまいの原因は様々で、単純に水毒だけで片づけられないのです。



めまいの様々な東洋医学的原因


1. 肝陽化風

頭がふらつくようなめまいがあり、同時に張ったような頭痛があったり、イライラ、怒りっぽい、怒るとめまいや頭痛が酷くなる、顔が赤くなったりのぼせやすい。肝陽化風というのは、肝の気(各臓器や体の働きを調節している気の事で、西洋医学的には自律神経系をさす)が風に変わってしまい、体内で風が吹くのでめまいが起きると考えています。平肝熄風の働きのある漢方薬が適合します。



2. 陰虚陽亢

めまい感、ふらつきがあり、目の異物感、焦燥感、不眠、夢をよく見る、寝汗が出やすい、手足の裏や胸に熱感がありほてりやすい、口が乾燥する。陰虚陽亢というのは、陰虚(体内の潤いが不足)によって、相対的に陽気が有余となって起きる状態です。滋陰潜陽といって、体内を潤しながら亢進した陽気を鎮静化させる働きのある漢方薬が適合します。このタイプには、五苓散とか苓桂朮甘湯は適合しないどころか、かえって体内の乾燥が酷くなるので良くないのです。



3. 心脾両虚

頭がふらつく、目がかすむ、心身の疲労によって悪化する。動悸、疲労感、息切れ、倦怠感があってやる気が出ない、不眠、食欲不振、顔色が白い。過度の疲労や思考過度、出血などによって、頭や目に栄養が行っていない状態で起きます。心脾を補う漢方薬を使います。

4. 中気不足

頭がふらつく、めまい、起立するときに症状が悪化する。疲れるとめまいがひどくなる。全身の倦怠感、話すのがおっくうになる、息切れ、汗がでやすい、食欲が無い、元気が無い。過労や元気不足のために中気(脾胃の気)が不足し、清陽が昇らなくなりめまいが起きます。中気を補い清陽が昇りやすくなるような漢方薬を用います。



5. 腎精不足

頭がふらつく、めまい感、耳鳴り、記憶力が減退する、目がかすむ、足や腰に力が入らない、高齢者に多い。生命の根本である腎精が不足して起きるめまい。腎精を補う漢方薬を使います。



6. 痰濁中阻

水湿の停滞によるめまい、多くは回転性である。水分代謝が悪くなっているので、水分代謝を良くするような漢方薬を使う。