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        更年期障害       



1.西洋医学的立場から

更年期は、性成熟期から閉経期への過渡期で、卵巣機能の低下によってエストロゲン(女
性ホルモンの一種)の減少、下垂体の性腺刺激ホルモンの増加などの変化によって発生
する一連の症状です。女性ホルモン濃度の低下が比較的穏やかであれば症状は比較的
軽く、濃度の低下が急激であれば、症状はひどくなる傾向があります。ちょうど、飛行機が
着陸態勢に入って次第に高度を下げるときに徐々にゆっくりであればシートベルトが無くて
も大丈夫なくらい揺れが少ないですが、いきなり高度を下げたり乱気流などがあれば揺れ
が激しくなるのにたとえられます。


       

西洋医学では、ホルモン治療が多く用いられています。不足したホルモンを外部から補う
という方法です。しかし、更年期症状の多発する50歳前後は、婦人科の腫瘍疾患の多
発年齢で、もし腫瘍があった場合には腫瘍の成長を早めて悪化させてしまいますし、その
他の副作用も多いので、ホルモンの使用は慎重でなければなりません。



2.東洋医学(中医学)的立場から

中医学では、更年期障害のことを「経断前後諸証」といっています。中医学では、腎(じん)
の衰退から衝・任脈が虚して天癸(てんき)がつきることによって発生すると考えられてい
ます。そして、発生する症状や体質の違いによっていくつかのタイプに分けられ、それぞれ
違う漢方薬が適合します。


腎陰虚(じんいんきょ)

頭がボーっとする、耳鳴り、腰や膝がだるく力がはいらない、夕方から夜になると体がほて
る、寝汗がでる、夜中に手足がほてる、顔が赤い、口は乾燥するがそれほど水をのみたく
ない。こんな症状の時は、熱をさまし体に潤いや栄養を与えるような漢方薬、例えば、
知柏
地黄丸
などが適合します。


心腎不交(しんじんふこう)

頭がボーっとする、耳鳴り、めまい、眼の乾燥感、寝つきが悪く良く夢を見る、手足がほてる
泣いたり笑ったり感情の起伏が激しい、ゆううつ感、動悸、不安などの症状があります。
こんな症状の時は、熱をさまし体に潤いや栄養を与え精神が安定するような漢方薬、例え
天王補心丹などが適合します。


以上の2つのタイプは、はっきりしたのぼせやほてりの症状がありますが、以下のタイプには
あまりみられません。



肝気鬱結(かんきうっけつ)

イライラ、怒りっぽい、ゆううつ感、胸脇や乳房がはる、肩こり、頭痛、筋肉痛がある。こんな
症状の時は、ストレスを除き精神を安定させるような漢方薬、例えば
星火逍遥丸などが適
合します。もしこのような状況でのぼせやほてりがある場合には
加味逍遥散が適合します


腎陽虚(じんようきょ)

元気がない、手足が冷える、足腰がだるく力が入らない、むくみやすい、白くてうすいおりも
のが多い、夜中にトイレにおきる。こんな症状の時は、体全体の精力、活力をつけるような
海馬補腎丸八味地黄丸などが適合します。



*健康食品ですが、大豆イソフラボンなども更年期の諸症状の軽減に一定の効果がある
といわれています。
                                           




  エストロゲンの欠乏で発生する症状

     月経不順
     のぼせ(ホットフラッシュ)、多汗
      動悸、頭が重い、不眠、不安
        肌荒れ、性交痛、尿失禁
        血中脂質増加、動脈硬化
                  骨粗鬆症