花粉症の症例1           TOPへ戻る

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慢性的な頭痛と肩こりを持つ方の花粉症の症例

Lさん  33歳 女性 身長153cm  体重47Kg   平成19年11月14日来局

主訴
今年の8月24日に正常分娩で女児を出産。秋になって涼しくなる頃から、頭痛と肩こりがひどくなった。さらに、くしゃみ鼻水などの鼻炎症状が10月頃から続いている。

頭痛、肩こりは、妊娠前からあったが、これほど酷いのはここ2ヶ月くらいである。疲れたり寝不足になると余計にひどく、寒いとひどい。頭痛は後頭部から側頭部にかけてかなり激しく痛む。それと同時に両肩がつまった感じになる。鼻炎症状も、冷えると悪化する。くしゃみ、鼻水、鼻づまりが主で目の痒みは無い。春先のスギ花粉の時期も相当にひどくなるので、今から何とか症状が軽くなるようにしたい。また、授乳中なので、赤ちゃんに影響がないように考慮して欲しい。

食欲正常、便通正常だが、時々軟便、下痢しやすい。

疲れやすい、すぐにカゼをひきやすい、少し動いただけで息切れがする。立ちくらみしやすく血圧低い(100/60程度)。目が疲れる、皮膚が乾燥しやすい、髪の毛がパサつきやすい。

産後から3ヶ月近くになるが、まだ生理が来ていない。

内科の医院で、葛根湯エキスを処方してもらったが、葛根湯をのむと余計に体がだるくなり気持ちが悪くなる。


11月14日
十全大補湯+麻黄細辛附子湯  7日分

11月20日 
この漢方薬をのんでから疲れにくく体が温まるようになり、鼻炎症状は全く消失した。生理が来ないので、体調全般を整える漢方薬を望んでいた。
十全大補湯+血府逐於丸    30日分

12月18日
12月15日に生理来潮。肩こりや頭痛もほとんどなく、赤ちゃんに夜起こされても、しんどい感じが減ってきている。
十全大補湯+血府逐於丸    30日分

 1月18日
32日で生理来潮。体調はおおむね良いが、寒さに当たって激しい頭痛がした時があった。
十全大補湯+川きゅう茶調散  30日分

 2月23日
生理は32日で来潮。2月初旬にカゼをひき3日間寝込んだが、それ以外は体調良好。
十全大補湯+川きゅう茶調散  30日分

 3月25日
頭痛なく体調良い。今年はスギ花粉症の症状がほとんど無い。漢方薬を飲み忘れるとくしゃみや鼻水が出てくるので、内科で小青竜湯が処方されたことがあるが小青竜湯では全く効果が無かったのに、この漢方薬が花粉症にも良いことがはっきり自覚できる。
十全大補湯+川きゅう茶調散  30日分


考察:
体調全般を整える漢方薬で花粉症の症状も抑えることが出来た症例である。花粉症には小青竜湯や麻黄細辛附子湯などが良く使用されるが、体質や症状によって、えっ、こんな漢方薬も花粉症に応用できるの?というものが非常に卓効を示すことも多い。冷えると酷くなる場合でも、葛根湯や小青竜湯などは気や血の不足した体質の方は長期間使ってはいけない。続けると体調は確実に悪くなる。この方の場合、十全大補湯を中心に気や血を補うことをまずやらねばならなかった。そして、花粉症だけでなく頭痛、肩こり、生理が来ない、疲れやすいなど全ての訴えが軽快したので、この方には非常に喜ばれた。

また、花粉症では、目や喉の痒みや鼻つまりが主な場合、ほてりを冷ますように働く銀翹散、桑菊飲などが応用される。葛根湯加川きゅう辛夷、小青竜湯や麻黄細辛附子湯などはみな温めて汗を出す働きのもので、ツムラのエキス剤などで花粉症に使用されるものには温める系統のものしか無く、ほてりを冷ます系統の漢方薬は保険適応では処方されないものも多い。

花粉症に応用される漢方薬は30種以上あるので、体質や症状に合った漢方薬を東洋医学に詳しい専門家に相談してお求めになられることをお奨めします。花粉症と漢方も参考にしてください。