糖尿病の合併症による痛みの症例

    糖尿病の合併症による足の痛みの症例


   Hさん、56才 女性 152、2cm  52kg 平成11年6月15日来局

  夜間の足の疼痛がひどい。
  4月中旬頃から、左足の疼痛、夜間ひどくズキズキ刺されるような痛み。
 
  既往症及び原病歴
  
   4年前、ウイルス変性糖尿病と診断され入院し、その後インシュリン注射
   により血糖をコントロールしている。さらに、フランドル、ラシックス、小児用
   バッファリン、ヘルベッサーを主治医から処方され服用されています。

   左肩がこる。四肢が冷えてしびれやすい。
   疲れやすく、体がだるい。動悸、息切れしやすい。
   過去に眼底出血は起こしていない。
   食欲、二便正常。
   舌質淡暗紅色、裂紋 無苔

   弁証 気陰両虚 血淤 
   治法 気陰双補 活血化淤

   冠元顆粒    3包/日  
   麦味参顆粒   3包/日   毎食前服用  各14日分

  
    H11.7.02
    経過 
   最初は服用しづらいように思ったがだんだん慣れ、夜間の疼痛は
   半減しました。
   
   前方を継続。

   H11.7.26
   経過
   夜間の疼痛はほぼ消失。手足の冷えやしびれも自覚しなくなりました。

   前方を継続。

  現在も自覚症状無いが、服用を継続中です。体のだるさも軽減し、QOL(生活
  の質)の向上の面でも効果がある
からです。


  考察
  Hさんは典型的な糖尿病による気陰両虚があります。気陰両虚とは(エネルギー)
  も(物質)も不足した状態のことです。糖尿病になると、本来エネルギーとして消
  費されたり、栄養として内臓や筋肉などに蓄えられるはずの糖が本来の代謝をされ
  ず、血液を汚してしまったり、尿や汗で体外に出てしまうのです。ですから、糖尿病
  が進行すると気陰両虚という状態になっている患者さんは多いのです。これは、動
  悸、息切れしやすい、舌に裂紋があるなどで明白です。西洋医学では血糖値をコン
  トロールすることが治療の中心ですが、糖尿病によってどのように体のバランスが
  崩れたのか、そのアンバランスを是正することを東洋医学では重視します。


  動悸、息切れは、心気陰両虚によるもので、舌質淡暗紅、夜間に憎悪する刺痛な
  どから、病理産物とし て淤血が存在し不通則痛(つうぜざればすなわちいたむ)
  により痛みが発生しています。

  尚、肩こりなどがあるので狭心症なども疑われますが、医師の処方をみても容易に
  想像できました。痛みに対しては活血化淤(血を綺麗にし流れを良くする)という方
  法で冠元顆粒を使用し、さらに気陰両虚が甚だしいので、麦味参顆粒を同時に1日
  3包と多めに服用してもらているのです。




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