不妊症の症例 7          TOPへ戻る

                         不妊症タイトル 不妊症1へ 漢方症例集へ戻る

 免疫性不妊症(抗精子抗体陽性)で自然妊娠に成功した症例


Mさん 29歳 身長159cm 体重47Kg    平成14年3月7日来局

結婚して6年目だが妊娠しない。2年前から不妊症の治療を受けていたが、昨年、
フーナーテストや免疫検査の結果、抗精子抗体陽性であるといわれ、体外受精
を強く勧められた。しかし、できることなら自然に妊娠したいということで、ツムラの
柴苓湯(No114)という漢方薬をのみながら、3ヶ月間、スキンを使って性交し、ご
主人の体液が体に触れないようにして、抗体が消えるのを待つような治療を開始
した。ところが、柴苓湯をのみだしたらすぐに便秘がひどくなり、体に合わないような
ので、他に体に合う漢方薬で免疫性不妊症に良い漢方薬は無いかというご相談を
受けた。

生理は29日周期で正常、やや生理量が少ない。生理前に胸が張り、軽い生理痛
がある。皮膚がかさつきやすい、目が疲れる、肩こりがひどい、手足が冷える、食欲
正常、便通1日1回。基礎体温は2層になり、高温期は14日間。検査ではご主人は
正常。

今までの経過
Mさんには、免疫バランスを良くすることを考えるのと同時に、血虚体質(体に血や
潤いが不足している体質)であるから、血や潤いを補うことを同時にしながら、体調
に合わせた周期療法をやっていただき、同時にご主人の精液が体に触れないよう
な性交を続けるようにご指導した。

いつものむもの
衛益顆粒 
婦宝当帰膠
星火逍遥丸

生理中
折衝飲

低温期
杞菊地黄丸
参茸補血丸
生理開始10日目から温経湯を5日間

高温期
いつものむもののみ

8月末に妊娠。妊娠中も婦宝当帰膠衛益顆粒は続けている。現在妊娠末期だが経
過は順調。

考察
免疫性不妊症は、体外受精が一番確実であることは確かです。自然妊娠は西洋医学
でも東洋医学でも難しいのには変わりなく、西洋医学では自然妊娠には、免疫抑制剤
が使われたが、副作用その他の問題であまり使われなくなっています。また、婦人科
で柴苓湯が使用される理由は、西洋医学的に柴苓湯にステロイド剤に類似した免疫
抑制の効果があるのを期待するためで、東洋医学的な使用法ではないのです。
また、柴苓湯は水分代謝を良くし体を乾かす方向に働き、血や潤いを補ったりする効果
は全くないので、Mさんのお体には合わず、便秘になってしまいました。

中国では、免疫性不妊症に玉屏風散に当帰、地黄などを加えたような処方がしばしば
使用されます。玉屏風散は日本では衛益顆粒という商品名で販売されているもので、
婦宝当帰膠は血や潤いを補うのに優れた漢方薬です。免疫バランスを良くするように
働く漢方薬は沢山あり、いづれも免疫性不妊症に使用できる可能性がありますが、症
状や体質に合わせ適切に使用しないと充分な効果がありません。