アトピー性皮膚炎の症例 4       TOPへ戻る 

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生理不順がひどい若い女性のアトピー性皮膚炎の症例

Nさん、26歳 女性  身長163cm  体重52Kg  平成18年 5月20日来局

全身が痒く皮膚は乾燥している。特に首から顔面部がひどい。赤みはあるがピンク色で真っ赤というほどではない。季節による痒みの変動はないが、ストレスが多かったり過労ぎみになるとひどくなるような気がする。

体質は、アトピーの症状がなければ肌は白く冷え症である。夜間トイレに起きることが多い。生理不順がひどく、2〜3ヶ月に1回程度になることも多い。生理不順もストレスが多かったり過労ぎみになるとひどくなるような気がする。生理痛はひどくないが生理前から生理中に腰がだるくなりやすい。食欲は普通だが、食べ過ぎると下痢することがある。肥れない体質。杉花粉症がある。


Nさんには、参馬補腎丸、婦宝当帰膠、五行草茶の組み合わせをお奨めした。同時に、色が黒いもの、素材の味がしおからいもの、粘りのある食べ物をはホルモン分泌が良くなるので多くとってもらうようにした。具体的には、コンブ、ワカメ、ブルーベリー、干しブドウ、黒砂糖、黒ごま、小魚、削り節、味噌、ハマグリ、アサリ、ひじき、納豆オクラ、モロヘイヤなどである。逆に、お菓子やあぶらものは控えてもらうようにした。

1ヶ月半服用した時点で、アトピーの痒みは半分くらいになり、冷え症が改善し、夜間トイレに起きることが少なくなった。生理は35日で来潮した。このまま5ヶ月継続した時点で、生理は32日〜35日間隔で規則正しく来るようになり、皮膚の乾燥感が無くなってきた。痒みもほとんど無い。この時点で、
婦宝当帰膠、五行草茶+晶三仙に変更した。



考察と感想

Nさんの体質は、胃腸も弱いが生理不順などがありホルモン系も弱く、しかも新陳代謝が低下しているようであるので、東洋医学的に脾腎陽虚という体質だと判断し、上記のような組み合わせを基本にしました。年齢の割りに老化が早い感じで、腰がだるい、夜間尿、冷えるなどのどちらかというとお年寄りに多い症状が若いのにあるのに加え、胃腸があまり丈夫でなく肥れない体質であるのが証拠です。

参馬補腎丸は、直接アトピーの痒みを楽にする働きはありませんが、このような脾腎陽虚体質の方の体質改善にぴったりです。婦宝当帰膠は、おだやかにお体を温め血行を良くし血液の栄養状態を増す働きや、生殖器系の若返りの働きがあるので、生理不順や冷え症に良いし、皮膚の乾燥感も改善できます。五行草茶は、炎症を改善する働きがあるのに加え、整腸作用があるので併用してもらいました。晶三仙は消化を助け胃腸を丈夫にするのに役立ちます。アトピー性皮膚炎は免疫過剰の状態ですが、それが、ホルモンのアンバランスと、胃腸のバランスが悪かったことで起きていたのです。免疫のアンバランスが起きる原因は様々ですので、その原因や体質の違いによって、適合する漢方薬も違ってきますし、適合した漢方薬なら、治したいアトピーの痒みだけでなく他の体調も一緒に良くすることが出来るのです。



近況

Nさんは近く結婚します。アトピーが良くなって彼からも「綺麗になったね」と言われるので、とっても幸せそうです。最近は2人でいっしょに来局されることもあります。生理不順が良くなって体調も良いので、できるだけ早く赤ちゃんが欲しいとおっしゃっていました。