アトピー性皮膚炎の症例 2

顔面の激しい痒みとむくみを伴ったアトピー性皮膚炎の症例

Fさん   27歳 女性  身長154cm   体重47Kg 平成11年7月8日来局

大人になってから発症。最初は目の周囲だけだったが現在は、顔面がひどく首にも痒み
がある。ご主人の転勤で今春引っ越しをして疲労とストレスのためか、さらに悪化して、
現在は顔一面発赤し、非常にほてりと痒みが強く、むくんでいる。皮膚表面は、乾燥して
粉が吹いたような感じで、こするとボロボロ落ちる。皮膚科に行って、弱いステロイド軟膏
と、白虎加人参湯という漢方薬を処方されたが、ほとんど効果が無い。

食欲、二便正常。肩こり易い。月経不順(先後不定)で月経前になるとアトピーの痒みは
さらにひどくなる。


最初は、瀉火利湿顆粒+三物黄ごん湯+越婢加朮湯、ステロイド外用剤は一切使用せ
ず、スキンケアとしてリプライローション(グリチルリチンを含有しているローション)を併用し
た。10日ほどでひどい痒みやむくみは消失した。その後瀉火利湿顆粒+三物黄ごん湯
とし、症状が悪化する月経前のみ黄連解毒湯を加えて、発赤も外見上ほとんどわからな
いほどにまで改善した。その後、小柴胡湯+温清飲として、秋になり空気が乾燥するよう
になってからは婦宝当帰膠+柴胡桂枝乾姜湯として翌春まで続けた。アトピーの症状は
無く、冬でも皮膚は乾燥しないし、月経が28日で不順にならず来潮するようになった。暖
かく雨が多くなってからは婦宝当帰膠+小柴胡湯として夏まで続けたが、症状は出現し
なかった。


考察と感想
アトピー性皮膚炎の治療で、病院では白虎加人参湯が処方されることがよくある。しかし、
Fさんには全く効果がなかった。白虎加人参湯は、中医学的には気分の熱を冷ます漢方
薬で滋潤性があるので、むくみのあるFさんには効果は期待できない。むくみがある時は
白虎加人参湯は使いにくいのです(むくみが悪化することさえある)。 Fさんの状況は、
湿熱と血熱が同時に混在する状態であったから、清熱利湿と血分の熱を冷ますことをま
ず最初に行った。また、Fさんのアトピーの悪化要因の一つにストレスがあるので、症状
が落ち着いてから、ストレスの影響を緩和させるとともに月経の正常化をも視野に入れ
ながら、気候に合わせ処方を変更して体質改善を図った



近況
Fさんは、ご主人がまた転勤してしまい遠くへ引っ越してしまいました。最近の様子はわか
りません。

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