アトピー性皮膚炎の症例 1

胃腸が弱い体質の人の症例

Eさん  17歳  男性  身長164cm 体重50Kg  平成7年6月3日来局

小さい頃からアトピー性皮膚炎があったが、今年に入ってから、首の回り、背中上部、
腕の内側の痒みがひどくなってきた。痒い部位は一面が赤黒く色素沈着があり変色
している。

疲れやすい、胃腸が弱く良く胃痛や下痢を起こす。食が細い。

最初の処方は、補中益気湯+三物黄ごん湯だった。1ヶ月で痒みは半分になった。
しかし、夏の暑さのせいでバテ気味であるので、補中益気湯を多く、三物黄ごん湯
を少なく服用して貰うようにした。しばらく小康状態が続いたが、10月に入って、
患部がかさつくようになって、痒みがいくぶんひどくなった。処方を当帰飲子+三物
黄ごん湯
に変更して、かさつきや痒みは激減した。12月になって痒みなどがほとん
ど無いので胃腸を補う参苓白朮散に変え、痒みがあるときだけ消風散を合わせて
服用してもらい、平成8年の7月頃にはアトピーの症状は皆無、胃腸も丈夫になって
体重も52Kgとなり、夏バテも発生しなくなった。痒みのひどいときにもステロイド剤の
外用は一切せず、当帰、地黄、苦参の入った入浴剤を使用した。


考察

胃腸の弱い体質の人は、胃腸に負担をかけずに痒みや炎症が無くなるような工夫
をしなければならない。また、胃腸をさらに丈夫にすることが免疫系にも好影響を与え
るので、体質改善には、胃腸を丈夫にして体全体の調子が良くなるようなことが欠か
せない
のです。さらに、空気が乾燥する季節には養血潤膚といって体内から皮膚を
潤すような工夫も必要だったのです。


近況
カゼをひいたときに風邪薬を買いに来るが、アトピーは再発していないという。高校生
の頃はひ弱な感じがしたが、現在はサーフィンなどを楽しむ健康的な若者になりまし
た。



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